消費者金融の利益率は?業界の現状は?

大手の消費者金融では年利18%程度で貸し付けをしています。借りる側は金利18%と聞くと、高いんじゃないのかなと考えてしまいます。しかし、この年利で消費者金融は儲かっているのでしょうか?これで計算すると人ひとりに10万円を貸し付けて、利益率は18%で利益は1万8000円ということになります。

ここでは消費者金融の利益率と金利、現状について解説します。

消費者金融の利益率

大手の消費者金融の年利は元本額が10万円以下の場合、プロミスが17.8%、アコム、アイフル、モビットは年利18%が上限金利になっています。そして限度額が100万円、300万円、500万円と貸付額が大きくなるに応じて金利は低くなっていきます。

アコムの場合では元本100万円以上なら15%、500万円以上なら7.7%です。冒頭でも記述しましたが、年利18%で一人に10万円貸したとして消費者金融の利益は1万8千円です。しかし、この利益がそのまま消費者金融の儲けになるわけではありません。

これはあくまでも粗利で、ここからコストを差し引かなくてはいけません。人件費、広告費、オフィスや店舗の地代、無人契約機の設置費用などです。くわえて、法人税も納める必要があります。コストを差し引いて考えると、たくさんの人にお金を貸していたとしても上げた収益からコストを引き利潤として残るのはそれほど多くはありません。

このようなことから、消費者金融はそれほど簡単に儲かる商売ではないと考えられます。

金利が高い理由

消費者金融の金利は10万円までの借り入れの場合、年利18%です。いざ借りようと考えるとどうしても18%の金利は高く感じてしまいます。しかし、これは消費者金融のシステム上、仕方ないことだと言えるでしょう。

消費者金融は銀行からお金を借りて、個人に貸し付けています。つまり、資金の源泉は借りたお金です。このため、借りたお金に対する金利の支払いが生じ、この金利分を穴埋めしなく手はいけないため貸し付け時の金利は高くなります。

銀行のように預金を資金として、貸し付ける場合とは少し違います。これにくわえて、消費者金融がお金を貸すときに担保を取ることもなく、保証人を要求することがないのも理由です。担保を取らず保証人もいないので金利を高くし、万が一借り手が返済できなかったときの補填をします。

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なぜ年利18%なのか?

消費者金融の年利は18%ですが、これは消費者金融が独自に算出して決めた利率ではありません。年利18%なのは法律で定められているからです。消費者金融の年利は利息制限法により決められています。利息制限法では借入額元本が10万円未満の場合は年利20%まで、10万円以上100万円未満は18%まで、100万円以上の場合は15%までと定めています。

消費者金融はこの法律に基づいて営業する必要があり、年利を18%以上にすることはできません。しかし、以前は年利18%を超える金利で消費者金融は貸し付けをしていました。貸金業者が貸し付けるお金に発生する金利について規制する法律に、利息制限法と出資法があります。

以前から利息制限法は現在と変わらない年利を上限金利としていましたが、2006年まで出資法では29.2%が上限金利でした。この利息制限法と出資法の間にある金利差はグレーゾーン金利と呼ばれるものです。消費者金融ではこの利息制限法と出資法の間のグレーゾーン金利で貸し付けを行っていたのです。

お金を借りる側が利息制限法を超えるグレーゾーン金利で借り入れをした場合、借りる側が受け入れてしまえば問題はないということになっていました。これはみなし弁済と言われます。また、利息制限法を超える利率で貸し付けた場合に罰則もありませんでした。

しかし、2006年1月最高裁判所の判決で利息制限法の規定を超える金利で貸し付けをした場合、みなし弁済を適用するのは違法であると判断を下しました。そして、2010年改正利息制限法が施行され違反をすると行政処分の対象となり、消費者金融は利息制限法の範囲内で営業を行う現在の状況になっています。

法律が改正されて

2006年ごろから多くの消費者金融は倒産し、廃業するところも相次ぎました。実際データでは2006年3月時点で消費者金融業界の貸付残高は10兆7000億円あったのが、2009年には6兆6000億円にまで減少しています。

融資成約率も2006年4月から6月は62%あったのが、2009年7月から9月には32%になっています。このように最高裁判所のみなし弁済違法判決から、消費者金融業界は一気に冷え込みました。グレーゾーン金利で借り手が支払っていた金利は過払い金と呼ばれ請求すると、過去10年以内なら返還してもらえることになりました。

この過払い金の支払いが困難になったために倒産する消費者金融も続出したのです。このほか貸金金業法が改正されて、消費者金融は個人年収の3分の1以上は貸し付けできなくなっています。

消費者金融が用意する担保ローンとは

消費者金融の現状は?

現在は法律の規制により貸金業者の淘汰が進み、2006年の1万4,236社だったのが2017年3月には1865社に減少しています。貸付残高も2017年には6.2兆円になっています。法律による規制と過払い金支払いにより消費者金融業界は低迷していましたが、現在は底を打ったとみることもできるのではないでしょうか。

貸付残高の落ち込み幅も減少しています。法規制により倒産や廃業が続きましたが、過払い金の支払いもひと段落付いています。大手の消費者金融の業績は改善傾向にあります。アコムは三菱UFJフィナンシャルグループ、プロミスはSMBCグループと提携するなど新たな道を模索しています。

銀行の傘下に入ることで信用力、資金力を強化しています。アイフルは経営の悪化で事業再生ADR(裁判外紛争手続き)をすることになりましたが、現在の状況は改善しているようです。現在の貸金業者に登録している人の数は2017年1811万人、登録件数は3098万人になります。

このなかで実際に借り入れ残高のある人数は1069万人です。日本の人口を1億2千万として計算した場合、約12人に一人は消費者金融からお金を借りていることになります。このように消費者金融利用者は一定数おり、消費者金融の需要はなくならないと考えられます。

2006年のころから比べると業界規模は縮小していますが、経営努力次第で現在の状況を打破していけるはずです。

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